創立30周年を祝して

 

同窓会会長 宇野 望(1回生)

 

兵庫県立北摂三田高等学校創立30周年おめでとうございます。9300名の卒業生を代表いたしまして心よりお祝い申し上げます。

30年前、私たち1回生が希望と不安を胸に校門をくぐったのが、つい昨日のことの様に思えます。真新しい校舎、新品の机、だれも使っていない下駄箱。何もかも新しかった本校も風雪に耐えながら、現在まで卒業生とともに歴史を刻んでまいりました。

学業におきましては、兵庫県下でも有数の進学校と知られるようになり、部活動においても運動部、文化部共に高いレベルで活躍しているのを耳にします。そして何より地域の中学生に北摂三田高校に入学したいと目標にされる憧れの学校へと成長いたしました。ひとえに諸先生方のご指導と卒業生のたゆまぬ努力の賜物だと誇らしく思っています。

私の高校時代は開校からの3年間、まさに草創の時期でした。荒れた地面を掘り起こし、種をまく準備をしたのが私たちの仕事であったように思えます。

この何もない大地に大きな花を咲かせてやろうという確固とした目標がありました。何よりも今の努力が新しい高校の進む道を決める、自分たちが学校を作るのだという開拓者の気概がありました。

しかし実際にはつらい事の方が多かった日々でした。

入学と同時に始まった徹底した学習面の強化と、生活面の指導に辟易していました。幾度となく志半ばで心が折れてしまいそうになりました。そんな時、何でも語り合える友人がいました。あの時彼らの支えがなければ、ひたすら暗い3年間を過ごしていた事かと思います。

 ただ、ありがたい事に日頃からおかしいと思ったことに対して学校に意見を言える空気が流れていました。先生方は私達の声にいつも耳を傾けてくれました。修学旅行の夜にさえ、自分たちの意見をぶつけたのをよく覚えています。今になって思えば、自分勝手で生意気ばかり言っていた私達に真剣に向き合ってくださった先生方に感謝すると同時に恥ずかしさでいっぱいです。

 1回生学年団の先生方もまた、立派な学校を創ろうと私達以上の熱い気持ちをお持ちだったのでしょう。その熱意に応えるべく私たちも努力しました。

 諸先生方の熱心なご指導とそれに応えようとする生徒一人ひとりの姿は、今日の北摂三田高校の成果として現れています。このよい関係が続く限り母校は益々発展すると信じております。

 私たちが卒業するときに蒔いた希望という種はその後の各回生諸君の夢という水をもらい大きく育ちました。歴史と伝統を創るのは私たちなのだという各回生の誇りがある限り、同窓会は微力ながらも彼らを見守り、協力、支援を惜しまないつもりです。